ダンジョンロード(Dungeon Lords)
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10/06/25
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ダンジョンの経営学
ここは地下世界。暗黒の支配者たちは今日も仕事に精を出している。インプ(小悪魔)たちをリクルートして固い岩にトンネルを掘らせ、金を採掘して資金を集め、宝を根こそぎ奪っていく冒険者に備えて高いトラップを買い、食料を調達してモンスターを雇う。ダンジョン省からは厳しい採掘規制が敷かれ、税金まで取られてしまう。
RPGの王道、ダンジョン攻略を悪の側から見たボードゲームが、昨秋チェコで発売され、その日本語版が来月発売される。先行して先月ゲームマーケットで限定発売されたものを遊んだ。
ゲームはダンジョンの建設と冒険者パーティとの戦闘に分かれる。建設は8種類(食料調達、悪評の改善、トンネル掘り、金の採掘、インプの徴募、トラップの購入、モンスターの徴募、部屋の増築)のアクションから毎回3枚のアクションカードを選ぶ。手番順・選んだ順にコマを置いて行い、順番によってはコストが高くついたり、定員からはみ出して何もできなかったりすることもある。
メインボード。選択したアクションスペースに順番にコマを置いて、そのスペースのアクションを行う
食料はインプやモンスターを雇うのに必要で、金はトラップの購入と部屋の増築に使うため、どちらもなくなると選べるアクションが少なくなる。インプはトンネル掘りと金の採掘に必要な人員で、一度雇えばなくならないが、ダンジョンが大きくなるにつれてあちこちで働かせないといけなくなるため、適宜増員しておいたほうがよい。
モンスターは毎ラウンド3体ずつ出てくる。一度雇えば何度でも使えるが、給料日が来ると給料を支払わなくてはならない。そして攻撃力が高いものほど給料も高い。一方、使い捨てのトラップは引いてみてのお楽しみで、状況によってものすごい効果を発揮する反面、役に立たないことも。この2つは冒険者を迎え撃つのに必要なものだ。
部屋はそれ自体が得点になるほか、インプを使って食料や金やトラップを作ったり、モンスターの攻撃力を挙げたり、ボーナス得点が入ったりする。ただし毎ラウンド2部屋しか出てこないので、アクションを選択しても売り切れているかもしれない。
このゲームには邪悪度メーターというものがあり、悪いモンスターを雇うと上がる。ゲームの最後に一番高いと「極悪大王」の称号が与えられ、得点になるが、ゲーム中に高いと、強い冒険者が優先的にやってきたり、ラインを超えると無敵のパラディンが攻め込んできたりと、あまり嬉しくない。ときどき悪評を改善して、世間から警戒されないようにしたい。悪評を改善すると、戦闘カード(相手の呪文)を先に見ておくこともできる。
このようにアクション同士も密接に関係しており、どのアクションを組み合わせて選ぶかよく考えなくてはならない。アクションが終わると給料日(雇っているモンスターに食料などを払う)や徴税(ダンジョンの広さに応じてお金を払う)などのイベントがあり、冒険者も少しずつやってくる。後から戦闘することになる冒険者を予め見ておけることで、対応するトラップやモンスターを決める手がかりになる。
プレイヤーのボード。アクションカードは右下に置く。左側がダンジョン。地上には冒険者が待ち構えている
さて建設で4ラウンド終わると、いよいよ戦闘が始まる。戦闘を起こすダンジョンの位置(最初は入り口)、使うトラップやモンスターを決めたら、戦闘カードをオープン。冒険者パーティにウィザードがいれば、魔法をかけてくる。モンスターが役に立たなくなったりお金を奪われたりと、いいことなし。
その前にトラップでパーティにダメージを与えよう。でもトラップも、シーフがいると解除される恐れがある。相手の呪文が終わったらいよいよモンスターの攻撃だ。基本的に先頭にいる冒険者から襲うが、モンスターによって全体攻撃ができたり、プリーストは攻撃できなかったりもする。この時点で冒険者が生き残っていれば、次の呪文をかけられたり、プリーストが傷を治したりして、ダンジョンの1スペースが制圧される。
これを4ラウンド繰り返して、冒険者パーティが全滅するか、ダンジョンが制圧されると戦闘終了。倒した冒険者は牢獄に入れられて得点になり、制圧されたスペースは失点になる。
これが1年目で、また2年目としてダンジョンの建設と戦闘を行う。2年目になると、冒険者もパラディンも、モンスターも、部屋もグレードアップしてさらに激しい戦いになる。
得点計算は最後だけである。雇ったモンスター、部屋、捕まえた冒険者・パラディン、邪悪度メーター・部屋数・トンネル・モンスター・インプ・お金のそれぞれが最多と、制圧されたタイルが最小に与えられる称号(極悪大王、増築大王など)の合計点から、制圧されたダンジョン、未払いの税金によるマイナスを差し引いて多いプレイヤーがダンジョンロードとなる。
金を作る部屋を手に入れた鴉さんと、金をしっかり採掘するトンデモブラウさんを尻目に、ずっと金欠が続き、ダンジョンを広げなかったにもかかわらず税金を2回も支払えなくなった。トラップを作る部屋をもっていたが、インプを大量に取られる割にはいいトラップが引けず、なけなしの食料で強いモンスターに力を入れることにした。邪悪度は上がり、パラディンの堪忍袋の緒が切れる寸前まで行く。
しかしウィザードがパーティにおらず呪文をかけられなかったこともあり、モンスターがよく働いてくれて戦闘は上首尾。2年ともパーティを全滅させた。これで極悪大王、モンスター大王、撃退大王の称号を取り、2年目に力を入れた得点になる部屋とあわせて1位。
コンポーネントの種類が多く、処理が煩雑に感じられるところもあるが、RPG世代にはとても親しみのあるテーマで、ゲーム中の会話が面白い。でも視点はいつもの逆。「強い冒険者来るな!」「やったコイツならすぐひねりつぶせる」「高給なのにこのモンスター全然働かねー」「ここ制圧されるとキツイなー」……小心だったり頭脳派だったり、ダンジョンの経営者は決して世間が言うほど悪者ではない。
Dungeon Lords
V.フヴァティル/チェコゲームズ―ホビージャパン(2009-2010年)
2〜4人用/12歳以上/90分
・Dream News:『ダンジョン・ロード』日本語版、7月下旬発売
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