メイヤー(Mayor)

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選対本部長に頼めいやー

メイヤー

このゲームが発売されたゲームマーケット2014秋と同日、私の地元で市長選挙があった。投票だけは欠かさないようにしているものの、候補者の内情は全然分からない。こんな大変なことをわざわざ買って出るのは本当にご苦労様なことであると思う。顔写真の入ったポスターを街頭に貼り、車で名前を連呼して回るなどといった芸当を、自分がやりたいなどとは毛頭思わない。

普通は決して体験できない候補者の気持ちを、このボードゲームでは味わうことができる。候補者、その家族、選対本部長、演説会担当、街宣担当、広報担当、電話作戦担当に分かれ、市長への当選を目指す協力ゲームだ。京都のアイドルグループ「やおよろズ」が制作したもので、メンバーの親族が関西で政治家をしており、生の選挙体験から生まれている。

各自、自分の役割を決めたらゲームスタート。役割は7つあるが、7人未満でも兼務することで全ての役割が登場する。ゲームは7ラウンド(7日間)。その後に開票が行われ、当落が判明する。それまで支持率を精一杯上げることが目標だ。

毎ラウンド、選対会議から始まる。5つある地域のどこに動員するか、さまざまな選挙活動のうちどれを行うかをみんなで相談する。動員する地域の支持率によって後援会コマの数が決まり、後援会コマを各役職に振り分けて選挙活動を行う。

候補者ができるのは「駅立ち」「自転車」「演説」。家族は「個別訪問」「同行」「泣き」。街宣担当は「選挙カー」「街頭演説」「桃太郎」というように、3つずつアクションがあるが、必要な後援会コマの数が異なり、地域・回数が限られているものもある。多様な選択肢から、どの組み合わせがいいか、みんなで知恵を出し合い、後援会コマを配置していく。

配置が終わったら出勤。アクシデントカードを引いて、その内容に応じて1分以内に計画を変更する。アクシデントカードは「雨」「中傷ビラ」「ガサ入れ」などで、行動が制限されたり、支持率が下がったりする。これでゲーム中1回しかできないアクションをキャンセルされたりすると非常に痛い。

1分たったら、アクシデントカードと選挙活動に従い、支持率を増減する。そして次のラウンドの選対会議へ。これを7日行う。7日間に選挙カーと選挙ハガキを出していなかった地域は支持率が下がるので担当者は忘れていけない。

5つの地域は人口が異なり、人口が多い地域ほど支持率が上がりにくい分、票数も多くなっている。場合によってはどこかの地域を完全に諦めるといった取捨選択も必要だ。7日が終わると、各地区での投票数がランダムに決まり、これに支持率をかけて得票数が決まる。例えば40000人の町で投票率が40%、支持率が37.5%だと、投票数が16000、得票数が6000となる(計算早見表が付いている)。総得票数の過半数をとれればプレイヤーの勝利となる。支持率の高い地域で投票率が高いと嬉しいが、それは当日フタを開けてみて分かることだ。人事を尽くして天命を待つ。

7人プレイで1時間ほど。私は候補者となり、序盤は朝立ちで地道に運動する。しかし度重なるアクシデントで、最も人口の多い「ニ悠町」の支持率が伸び悩んだため、桃太郎(町中を練り歩き、味方を増やす)を決行することに。この活動は候補者とその家族の同行が必須で、支持率が一気に2倍になる。ところが当日、アクシデントカードで「ダウン」が出て候補者がまる1日休みなってしまう。「肝心なときに~!」そこで最後に「演説」に挑戦。これは時計を見ないで公約を演説し、50~60秒以内に収まれば支持率が2倍になるというもの。しかし結果は5秒ほど超過してしまい失敗した。結局この2つの失敗が響き、支持率100%だった地域で投票率が最低だったことも影響して落選。最後は祈るような気持ちで投票率が出るのを見つめていた。

残念な結果に終わったが、こうしたほうがよい、ああしたほうがよいとみんなでアイデアを出し合ってゲームを進め、アクシデントを乗り切っていくのは結束感が高い。リアルな選挙活動がつめ込まれているので否応なくその世界に浸ることができる。軽いロールプレイもできて、選挙期間中の高揚感を味わうことができた。

Mayor
やおよろズ(2014年)
3~7人/16歳以上/60~90分
ボードゲームショップ検索:MAYOR

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