ゲームマーケット2019春レポート:注目のボードゲーム

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5月25・26日、東京ビッグサイト青海展示棟で開催された「ゲームマーケット2019春」では、過去最多の525タイトル(暫定)という新作ボードゲーム(国産)が発表された。この数は昨年春から8割増で、これによってゲームマーケット大賞2019の選考対象(2018秋、2019大阪、2019春の合計)は初めて1000タイトルを超え、1250タイトルとなる。この数字に海外のボードゲーム、TRPG、TCG、SLGを加えると、昨年のエッセン・シュピールで発表された新作1400タイトルを超えるだろう。

その多くはいわゆる同人ゲームだ。個人や仲間内で制作され、100個程度しか作られず、1㎡にも満たないテーブルで頒布される。中には10個に満たないものや、ゲームマーケットでしか入手できないものも少なくない。出版社を通していないので荒削りなところも否めないが、制作者の思いがダイレクトに伝わってくるのが、一般発売されたボードゲームにはない魅力である。

会場内では、海外の出版社が毎回のようにスカウトに訪れているのを見かける。彼らにとってゲームマーケットはアイデアの宝庫なのだろう。希望者を募ってエッセン・シュピールに出展する「ヤポンブランド」というプロジェクトもあるが、それさえも待ちきれず、こうして直接ゲームマーケットに足を運ぶのである。実際、こういった同人ゲームから、海外の出版社に取り上げられ、一般発売される作品は枚挙に暇がなく、逆輸入で日本に帰ってくる作品もある。

ここでは、その525タイトルの中からいくつか注目されたゲームを紹介する。

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『アクロス・ザ・ユナイテッドステイツ』(OKAZU brand)は19世紀のアメリカを舞台に路線を伸ばしてルートをつなげ、貨物を運び、株や金塊を集めて、大富豪となることを目指す60分クラスの鉄道ゲーム。駅の種類はタイル配置によってゲームごとに変わる。

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『銅と銀の交易者』(四等星)は、アクションスペースを周回して銅と銀を効率よく交易する拡大再生産ゲーム。途中で強いカードをを入手できるが、使った手札の回収はボードを1周したときだけ。王女、王様、司教への貢献度や技術力といったパラメータを上げるとできることが増え、戦略も分かれていく。40~60分。

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『HYAKKATEN』(NSGクリエイト)はデパートの各フロアにテナントを上手に入れて、たくさんのお客さんに買いに来てもらうゲーム。60~90分。

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『商売往来』(OKAZU brand)は架空都市オーサカで自分の店を発展させるリソースマネージメントゲーム。手元のカードをより強力な仲間と交換したり、生産した物品を依頼者に届けたり、ミカドに貢いで権力を得たりして、名声を競う。30~45分のミドルクラス。

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『ヘゲモニア戦記』(スタジオムンディ)は、個性的な5つの種族で資源を集め、拠点を建設するエリアマジョリティゲーム。オールラウンド型のヒューマン、力は強いが数が少ないドラゴン、合体すると強くなるスライムなど、それぞれの個性を活かしてアドバンテージを取る。30~45分のミドルクラス。

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『三津浜』(タルトゲームズ)は愛媛の港町でメバル、ハギ、タチウオ、マダイを仕入れ、割烹に卸すオークションゲーム。漁獲量はダイスで決まるが、競りにかけられる量に制限があり、さらに倉庫番がいないと仕入れることができない。30~40分。

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『MOON BASE』(itten)は月のクレーター上にリングを置いて、そこに基地を建設する2人用アブストラクトゲーム。クレーターがお互いに重なっていることによってそこに置くリングも積み重なり、熱い位置取りが繰り広げられる。

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『エレベータ前で』(Saashi & Saashi)は、デパートのエレベータ前で自分の色の家族を並ばせ、エレベータに乗れるように操作するカードゲーム。割り込みや迷子に加え、同じ種類の人物が3枚揃うといなくなってしまうカフェルールを上手に使って、何とか乗り込もう。

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『ダンジョンマーケット』(spiel.jp)は山札からカードをめくって探険し、出てきた武器や防具を任意の値段でほかのプレイヤーに売りつけるカードゲーム。プレイヤーによって集めているものが違うから、足元を見た値付けが楽しめる。

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『フォトムズ』(ディアシュピール×ボドゲーマ)は、住まいをテーマにして行われたボードゲームデザインコンテスト「ボードゲームグランプリ」の大賞に輝いた作品。各プレイヤーが自分の視点から、お題カードに指示された動物が見えるように、またモグラが誰からも見えないように、立体の建物タイルを協力して配置する。

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『ジンバブエトリック』(倦怠期)はジンバブエドルのように、カードの数値ががどんどん増えていくトリックテイク。出したカードが重ねられて桁数が増え、最終的には12桁になる。最後は何千億?

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『ナインタイルパニック』(オインクゲームズ)は、J.-C.ペリン(ルクセンブルク)とJ.メルクル(ドイツ)による『ナインタイル』の続編。ハンバーガー大好きな宇宙人がやってきた街で、9枚のタイルを3×3の範囲で入れ替えたり裏返したりして、手早くお題カードに沿って街を作る。

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『文学ゲーム全集』は文学をモチーフに作られたアナログゲームシリーズで、全15タイトルを一挙に発表。米光一成氏がデザインした『走るメロスたち』は、太宰治の『走れメロス』を題材にしたロードレース・トリックテイキングゲームで一番人気。日本文学だけでなく、V.ユーゴーやW.シェイクスピアを題材にした作品もある。

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『UNKO!』(IndiesCrown)はお客様に適量の食べ物を提供し、カンペキなうんこを出させてあげるカードゲーム。どれくらいの量が適量かは、裏になったカードを推理して決める。食べる過ぎるとお腹を壊すから注意。

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『重家事いっぱい!』(カラクリキューブ)は面倒な家事を押し付け合う10分程度のライトなカードゲーム。

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『ないはずの記憶』(大炎笑制作委員会)はプレイヤーが共通に知っている亡くなった人について、お題に沿った新しいエピソードを作り、どれが一番その人らしいかを競う。思い出話に花を咲かせて、亡くなった人を偲ぶ。拡張パックで「もしも私が死んだなら」。

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『アワーレコード』(するめデイズ)は、自分の記憶を書いた紙をガチャガチャに入れ、それを引いた別の人に後日ツイートしてもらうことを目指すゲーム。6月1日に一斉にツイートすることになっているそう。作者のニルギリ氏は今冬、第2回「これはゲームなのか?展」を開催する。

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『密談(Under Heart Look Look)』は、お気に入りの女の子にどのようにアプローチするかをプロットし、ほかのプレイヤーはどのカードをどの順序でプロットしたか当てるゲーム。2019大阪新作。

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スモール出版は『ライナー・クニツィアのダイス・トランプゲーム集』を発売。1990年にドイツ語で発表された書籍の翻訳書で、『ダイスゲーム百科』に続いての登場となった。

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ゲーム以外のアクセサリもあちこちで見かけた。アクセサリー工房ころん、ゆらんでは、昨年秋の「空にただようミープル」「草原に寝そべるミープル」に続き、「海にただようミープル」を発表。

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まじょの実験室では、庭の草花をレジンで固めたミープルアクセサリーを頒布。製作に手間がかかるため、また頒布できるかどうかも不明だ。

ゲームマーケット事務局では、まもなく新作評価アンケートが始まり、その結果はリアルタイムで更新される。また次回、11月23・24日に行われるゲームマーケット2019秋において、ゲームマーケット大賞が発表されることになっており、その過程で選考を通過した作品も発表されることだろう。その中で自分の好みに合ったボードゲームをぜひ見つけてほしい。

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