ゲームマーケット2020大阪:新作レポート

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3月8日に開催予定だったゲームマーケット2020大阪は、新型コロナウィルスの感染防止のため中止となってしまった。そこで頒布されるはずだった新作ボードゲームは宙に浮いてしまったが、幸いにしてゲームマーケット公式をはじめいくつかのサイトが手を挙げ、ネット通販されるようになった。そのうちいくつかを見繕って遊んでみたレポートである。

たぬきのきんたま(鳴海製作所娯楽部)

カードをプレイして右の金玉と左の金玉を大きくしたり小さくしたりするカードゲーム。ゴーアウト系。

自分の手番には、場(ゴールンデンボールエリア)に手札からカードを1枚出す。出せるカードは場のカードより+2~-2で、出せなければ場札を1枚引き取る。左右が「1」と「8」になったら「一か八かボンバー」で、好きな人(もちろんトップ目)に山札からカードを1枚引かせることができる。

数字は1~8があるが、1と8はつながっており、出せるカードの条件はそれほど厳しくないのでぶーらぶら(金玉だけに)と遊べる。

DATA

ゲームデザイン&イラスト・なるみ
2~4人用、7歳以上、10~20分

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The Field of the Sun(リトルフューチャー)

ぼうずめくりの要領で山札からカードをめくり、作物のマジョリティーを競うカードゲーム。

山札から1枚ずつめくっていって、好きなところでやめて、めくった中から1枚を取る。同じ作物の2枚目が出るとその作物しか取れない。山札がなくなったとき、作物の種類ごとに枚数がもっとも多いプレイヤーが得点、それ以外は失点。イベントを起こす特殊カードが3枚入っているが、ミニマムなシステムである。

作物は各種5枚ずつなので、3枚取れば必ず勝てる。しかしそううまくは集まらない。ほかの人が1枚持っているとき、同じ作物を取って競合するべきか否か、それとも競合を避けて別の作物を取るべきか。結局全部のカードが出てくるので、最後の最後まで気が抜けないドラマがある。

DATA

ゲームデザイン・エミユウスケ、イラスト・メメント森&山崎すはま
2~5人用、10歳以上、10~30分

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おばけはおまえだ!(ギフトテンインダストリ)

聴覚を使ったコミュニケーションゲーム。イヤホンから流れる音で絵を選ぶ。ただし1人だけ、おばけ役の人がランダムに割り振られており、その人は同じ音を聞いた体でバレないようにしなければならない。

流れてくるのはおばけっぽい音。イヤホンを回して、スマホのボタンで音を出し、自分が聞いた音に合いそうな絵を取る。なんでその絵を選んだか簡単に説明して、その説明から怪しそうな人を一斉に指差し。バレなかったらおばけの得点、バレたら当てた人の得点になる。

具体的に言うとおばけ役が合わせやすくなるので、ほどほどにぼかすけれどもそうすると自分が怪しくなる。適当に言ったのがピッタリ当てはまったり、何も言ってないに等しいのにおばけでないことがうまく伝わったりして楽しい。

DATA

ゲームデザイン・濱田隆史、イラスト・村瀬都思
3~6人用、10歳以上、15~30分

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ツリーラインアベニュー(TACTICAL GAMES)

5種類の樹木を縦横に揃えて得点を競う。『キングドミノ』のボードが全員共通だったらどうなるか。

プレイヤー人数分の樹木カードを番号順に並べ、そこから1枚選んで6×6の公園ができるよう配置する。番号の大きいカードを取ると、次にカードを取る順番が遅くなる『キングドミノ』方式。ただし公園は全員共通で、自分の庭師コマを置いたところから縦と横の列にある樹木が得点になる。合従連衡して樹木を揃え得点を上げつつ、自分の庭師コマと関係のない列には邪魔な樹木を置いて得点を下げる。

公園には動物や施設もあり、ゲーム終了時ボーナスに絡むほか、番号の大きいカードにはお得なアクションが付いてくるものも。庭師コマは1人2個あり、合計4列で得点できることになるので、樹木はだいたいどれでも何とかなる。そのため手番順の変動が少なく、後ろに下がるとなかなか復帰できない。選択肢の多さが悩ましい。

DATA

ゲームデザイン・鈴木陽太&押切隼、ビジュアルデザイン・鈴木陽太
2~4人用、14歳以上、20~30分(2019秋新作)

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タイムトラップ(TACTICAL GAMES)

7ラウンドにわたってカードをプレイし、第7ラウンドで先に手札をなくすことを目指すカードゲーム。第6ラウンドまでに手札がなくなってしまうと脱落してしまう。

「奇数しか出せない」「何でも出せるが、5と7を出すとカードを奪われる」などラウンドごとに条件が設定されており、それに従って手札を昇順または降順にプレイしていく。最初に1枚ずつもっている「タイムトラップカード」をプレイすると昇順と降順が逆になる。出せるカードがなくなったらパスで、全員がパスしたら次のラウンドへ。

第6ラウンドまでは脱落しないようカードをできるだけ温存したいが、ある程度減らしておかないと第7ラウンドで勝ち目がなくなる。ほかの人にどこまで出させるかも重要。気がついたときには負けている。

DATA

ゲームデザイン・押切隼&鈴木陽太、ビジュアルデザイン・鈴木陽太
2~4人用、14歳以上、10~15分(2019秋新作)

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インザルーイン(フダコマゲームズ)

カードで指示されたパターンで通路や壁を書き込んで、古代遺跡からお宝を持ち帰るフリップ&ライトゲーム。

各自自分のシートにカードで指示されたパターンで通路や壁を書き込んだら、カードに指示された数だけ、通路に沿って自分のコマを移動させる。お宝の場所はカードで指示され、全員共通だが早いもの勝ち。そこまで通路がつながっていないと、お宝があった場所は壁になってしまう。宝石が取られるとまた別のところに宝石が出現する。カードの山札がなくなったら前半終了で、後半は残った宝石を集めつつ、スタート地点まで戻って遺跡を脱出しなければならない。お宝のほかに、通路と壁が作られた四角形の広さの得点と、指定されたルートをつなげるともらえるボーナス、指定されたパターンが書き込めなかったペナルティーがある。

フリップ&ライトゲームの常としてインタラクションは薄いが、「Bの宝取りました!」「あと1歩だったのにぃ!」というように宝を取ったときにお互いやっていることが分かる仕組み。暗中模索で探検している感じがある。

DATA

ゲームデザイン・沢口游佑、アートワーク・たかみまこと
1~4人用、8歳以上、30~45分(2019秋新作)

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