ボードゲームカフェ、営業再開と課題

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4月7日に7都府県で発令され、16日に全国に拡大された緊急事態宣言。当初はGWが終わる5月7日までとされていたが、5月に入って延長となり、5月14日に8都道府県以外で解除、5月25日にようやく全国で解除となった。
その間、ボードゲームカフェやプレイスペースは営業自粛を余儀なくされていたが、5月から営業を再開するお店が現れ、本日現在で約6割(290店舗中180店舗)が営業を再開している。
togetter:ボードゲームカフェバー/プレイスペースの再開状況
togetter:ボードゲームカフェバー/プレイスペースの再開状況(都内編)
再開状況を調べていて気づいたことは、完全予約制にするなどで休業しなかったお店もあること、同じ地域でも再開したお店とまだのお店があること、閉店したところは(今のところ)ほとんどないこと、都内は少し遅れて6月1日から再開しているところが多いことなどである。国内最大手のJELLY JELLY CAFEが都内の全店舗を休業したままになっているのが心配だ。
東京都の「活動再開ロードマップ」では、パチンコ屋、ゲームセンター・遊園地などの遊興施設は「ステップ3」から活動を再開できることになっており、ステップ3になるのは6月下旬の見込み。ボードゲームカフェは遊興施設として挙げられておらず、事業者に判断を委ねられているという(FNN:”東京の夜”にぎわい復活!? ”ステップ変更”で戸惑いも )。
そのような事情もあって開店後も、発熱時・濃厚接触時の入店不可、入店時の手指消毒、マスク着用、テーブル数の制限、定期的な換気、飲食の制限、圏外・新規の参加制限、相席の禁止、連絡先の記入、キャッシュレス支払いまたはトレイの使用などの対策がなされている。しかし「これで万全」というラインがないのが悩ましい。
第一に、同卓するときの距離の問題。全国麻雀業組合総連合会では拡大予防ガイドライン を公表している。麻雀卓を1つおきにするなどして距離を空けるだけでなく、イスを後ろに下げるなどして、対人距離(側面に座る者との距離も含む)をできるだけ2m(最低1m)を目安に確保するよう努め、対人距離を確保できないことが見込まれる場合は、アクリル板や透明ビニールカーテン等により遮へいするという。しかし1mでも麻雀牌に手が届かないだろう。


第二に、コンポーネントの消毒の問題。オーストリア図書館協会は、ボードゲームやカードゲームの貸し出しに関する衛生対策として、「ゲームの全ての部分へ完全に消毒処理を施すか、ウイルスの不活性化に十分とされる72時間の隔離を行うかのいずれかの措置が必要である」という指針を公表している。カードなど紙製のコンポーネントはアルコール噴霧の消毒が難しく、また72時間隔離すれば、1回遊んだものは3日間出せなくなってしまう。自宅ゲーム会やボードゲームサークルであれば次回まで1週間以上空くだろうが、ボードゲームカフェではそうもいかない。


そして第三に、対策を厳しくすればするほど気軽に来店できなくなるという問題がある。事実、営業再開しても客足がなかなか戻らないところも多いようだ。感染リスクが怖い人もいれば、厳重な対策をしてまで遊びたいと思わない人もいる。
コロナ禍でボードゲームが注目を浴びているとはいえ、多くの愛好者はリアルで遊べない状況が続いている。その中でも新作がリリースされるペースは落ちず、ボードゲームカフェ・プレイスペースで早く遊びたくてうずうずしている人は少なくないだろう。事態は日々変わり、時間が解決してくれる部分も多々あると思うので、この難局をなんとか乗り切ってほしい。

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